ラフプレーをした選手をキャプテンに。永井秀樹監督は何を思ったのか
永井秀樹 ヴェルディ再建への道
トップチーム監督編(17)
2020年11月7日第32節、ホームの味スタで首位の徳島ヴォルティスを迎えた東京ヴェルディは、丁寧にボールをつなぐスタイルを貫いて善戦するも一歩及ばず、最後は不運な形でPKを献上してしまい1-2で敗れた。
永井秀樹監督のブレないサッカーが形になってきている ©TOKYO VERDY 通算成績はこの時点で、10勝10敗12引き分けとなり、残り試合数(10試合)を考えると、今季2位以内に入りJ1昇格を果たすことは現実的に厳しくなった。
一方、永井秀樹が目指すスタイルの浸透は進み、パスの連動性は磨かれ、課題だった守備面も大崩れしなくなった。完全にやられた敗戦は、開幕の徳島戦(0-3)と29節の山形戦(0-4)くらいだろう。
個々に目を移せば、ユース時代の教え子、新人の藤田譲瑠チマがレギュラーの座を獲得し、将来の日本代表候補と呼ばれるまでに急成長した。また、昨シーズンは低迷していた井上潮音も輝きを取り戻しながら、逞(たくま)しさも身につけた。
そうした中、永井が考えるトップチームに必要な最大のピースは、「ピッチ内で選手をまとめられるような存在。真のリーダーとなるようなキャプテン」と話す。しかし現在、固定のキャプテンは置いていない。そこには永井のどんな狙いがあるのか。
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