オリジナル10で最も優勝が遠い...。清水エスパルスはなぜ優勝できないのか (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

 レイソルも酒井宏樹、工藤壮人らユース育ちの若手の台頭が大きく、サンフレッチェでは森崎兄弟、高萩洋次郎、青山敏弘らが主軸を担い、フロンターレには言わずと知れた中村憲剛の存在がある。昨季のF・マリノスも喜田拓也と遠藤渓太のユース出身者に加え、仲川輝人も専修大から見出した選手である。

 もちろん、エスパルスにもアカデミー出身者や生え抜きの選手は多数在籍する。今季加入したルーキーにも、ポテンシャルを秘めたタレントは多い。

 今季より指揮を執るピーター・クラモフスキー監督は、クラブの長期的な戦略のもとで白羽の矢が立った人物だろう。昨季、優勝を成し遂げたF・マリノスでコーチを務めていた指導者であり、同様のスタイルの構築が求められているはずだ。

 特殊なスタイルなだけに、時間はかかるだろう。実際、第16節終了時点でエスパルスは最下位に沈んでいる。しかし、F・マリノスのような成果が生まれるかもしれない。今季は降格がないのも幸いするだろう。どこまで我慢できるかが、エスパルスの未来を左右するはずだ。

 もちろん、見極めも大事だが、大きな成功を手にするためには、忍耐が求められる。継続路線を突き進み、タレント力を補いながら、若手の台頭を促すことができれば......。信じた道のその先に、栄光が待っていることを願う。

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