交代枠5人の活用を数字で検証。
うまいチームと下手なチームはどこ?
異例のシーズンにおける各クラブの対策(後編)
前編に続き、J1各クラブの"過密日程対策"を探るため、7月に行なわれた第2節から第7節までの6節を対象に、今回は選手交代の活用に注目してみたい。
もちろん、すべての選手交代が意図的に行なわれるわけではなく、負傷者の発生など、不測の事態にやむなく対応する場合もあるだろう。それでも、各クラブの動きをまとめて見ることで、全体の傾向をつかむことはできるはずだ。
※順位は第9節終了時点のもの。平均で記した交代人数は小数点2位以下を、交代時間は小数点以下を四捨五入。 表に記したのは、各クラブの「1試合平均の交代人数」、「1人目の平均交代時間」、「3人目の平均交代時間」、「交代選手の得点数(そのうち、同点ゴールや逆転ゴールなど勝ち点獲得に直結した得点数)」、「主な交代得点者(2点以上)」を記している。
今季は特別ルールとして、選手交代が5人まで認められている。その結果、ほとんどのクラブが1試合平均で4人以上を交代させており、すべての試合で5人を交代させているクラブも4つある。試合を見ていても、1人目の交代がハーフタイムに行なわれるケースは珍しくない。
1人目の平均交代時間が50分以内のクラブが多いのは、前半に負傷者が出ている影響もあるのだが、3人目の交代を見ても、ほとんどのクラブが70分前後には行なっており、全体的にベンチの動きは早い。特例ルール下ならではの傾向である。
なかでも選手交代を最も有効に活用しているのが、当該6試合を全勝した川崎フロンターレだ。
川崎はすべての試合で交代5枠をフル活用しており、3人目の投入時間は67分と全クラブ中2番目に早い。先発メンバーには固定化傾向が見られた川崎だが、試合中の入れ替えにはかなり積極的だ。
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