2020.06.26

J2再開。将来の日本代表候補として
期待できる注目株が水戸にいる

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Newspix.pl/AFLO

 昨季J1で、15年ぶりの優勝を果たした横浜F・マリノス。コンパクトな陣形を取って狭いエリアに相手を封じ込め、素早い攻守の切り替えでボールを保持し続けるサッカーは、特にシーズン終盤、衝撃的なまでの強さを見せつけた。

 とはいえ、アンジェ・ポステコグルー監督の就任1年目だった一昨季は、J2降格すらちらつく12位。それでも、目指すスタイルにこだわり続けたことが、1年後に実を結んだ。時に惨敗を喫することもあり、周囲から懐疑的な視線を浴びることになっても、その姿勢が変わることはなかった。

 そんな一昨季、すなわち2018年シーズンの横浜FMで、印象に残っている試合がある。3月14日に行なわれたルヴァンカップのグループリーグ第2戦、ベガルタ仙台戦だ。

 試合が行なわれたのは、J1開幕から1カ月足らず。J1第3節と第4節の間だから、まだシーズン開幕間もない時期と言っていいだろう。

 新指揮官の下で横浜FMが取り組むサッカーは、あまりに極端なスタイルゆえ、すでに話題となっていた。この試合でも、J1のリーグ戦から大きくメンバーを入れ替えてはいたが、ピッチ上で繰り広げられるサッカーは一貫していた。

 横浜FMの特殊なスタイルを、とりわけ象徴すると見られていたのが、サイドバックのポジショニングだった。

 オーソドックスなサイドバック然とタッチライン際を上下するだけでなく、ときにボランチの脇にポジションを取って、攻撃の組み立て役を担ったり、バイタルエリアに入り込んでフィニッシュに絡んだりと、従来の常識を覆す動きが求められていたからだ。

 だからこそ、彼の存在が目に留まった。