J2再開。将来の日本代表候補として
期待できる注目株が水戸にいる (3ページ目)
結果的に、その年19歳になったばかりの新人選手にとってトップチームの壁は厚く、J1で8試合、ルヴァンカップで7試合に出場するにとどまった。それでも、J1第17節FC東京戦では、途中出場でJ1初ゴールも記録。ルーキーシーズンとしては、まずまずの船出に見えた(2017年にも、2種登録でルヴァンカップ2試合に出場している)。
事実、山田は昨季、U-20日本代表に選出され、ポーランドで開催されたU-20ワールドカップに出場。グループリーグから決勝トーナメント1回戦までの全4試合に先発出場(うち3試合はフル出場)している。
4-4-2の左MFとして、2トップと連係しながらチャンスを作り出した山田は、グループリーグ初戦のエクアドル戦では、0-1からの同点ゴールで、チームに貴重な勝ち点1をもたらした。大会初戦で動きの硬いチームを救う、まさに値千金だったこのゴールがなければ、その後の決勝トーナメント進出もなかったかもしれない。
ところが、世界の列強と競った自信を胸に、横浜FMに戻った山田を待っていたのは、厳しい現実だった。
優勝争いを繰り広げる好調なチームに割って入るのは難しく、8月には名古屋グランパスへ期限付き移籍。だが結局、名古屋での公式戦出場はなく、プロ2年目の昨季は、ルヴァンカップで5試合、J1ではわずか1試合の出場に終わった。
そして迎えた今季、"面白そうなルーキー"だった20歳は、J2の水戸ホーリーホックへの期限付き移籍を決断したのである。
横浜FMユース出身らしく、テクニックに優れ、現在の横浜FMのスタイルと相性が悪いとは思えない。だが、J1王者でポジションをつかむには、まだ何かが足りないということなのだろう。
3 / 4