自粛中にゴツくなった宇賀神友弥が思う「Jリーグとプレミアの差」 (7ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki


「代表戦(でのPK献上)があったその年の最後に、あれを決めるかみたいな思いはありましたよね。(天皇杯で優勝した時に)成長できたなって思いました。悔しい思いをして、それでもあきらめなかったから、あのゴールがあった。見返せたわけじゃないかもしれないけど、自分としてはひとつ逆境を乗り越えられたかなと」

 浦和ユースでプレーしていた高校生の時は、トップチームに昇格できず、悔しさを秘めて流通経済大学へと進学した。そこでクサらずに成長したからこそ、浦和から再びオファーをもらい、プロへの道を切り開いた。

 プロ1年目から試合に出場する機会を得られたが、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督が就任した2012年は開幕から10試合もの間、ベンチを温めた。現在コーチである当時32歳の平川忠亮に「いつまで俺を試合に出させるんだ。さっさと俺を越えろ」とハッパをかけられて奮起したことが、ポジション奪還につながった。

「いつも逆境に立たされた時、これを乗り越えた時の自分はどれだけすごい景色を見られるのだろうって考えるんですよね。起きてしまったことは取り戻せない。考えるし、悩むけど、取り戻すことはできないんです。だったら、その後、自分に何ができるか、自分が何をするかが大切なんじゃないかなって」

 振り返れば、これまでも毎年のようにポジションを争う新加入選手が補強されてきた。だが、宇賀神はそうした競争に勝ち、存在感を示してきた。

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