自粛中にゴツくなった宇賀神友弥が思う「Jリーグとプレミアの差」 (5ページ目)

  • 原田大輔●取材・文 text by Harada Daisuke
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki


 ベルギーで行なわれたマリとの親善試合で、当時率いていたヴァイッド・ハリルホジッチ監督に抜擢された宇賀神は先発出場する。しかし、前半終了間際にペナルティエリア内でファウルを犯してPKを献上。失点の原因を作ると、前半終了とともに交代を命じられた。

「公式戦でPKを与えた記憶ってほとんどないんですよね。だから、人生初の機会があの試合になってしまったんです。しかもW杯の直前にチャンスを与えてもらったのに、ああいうことになってしまった。代表戦はたくさんの人が見ているし、インパクトはだいぶ大きい。レッズでのプレーも含めて、ここから挽回するのは大変だなと思いましたし、かなりの逆境だと思いましたね」

 結果を残してやると意気込んではいたが、いつもどおりのプレーをしようと心掛けてはいた。だが、浦和で慣れ親しんできた左WBではなく、右SBで出場したことも影響したのだろう。

「PKを与えた直後は前半の残り時間もわずかだったので、後半に挽回するしかないなって思っていたんですけど、ロッカールームに戻ったら、あっさりと交代だと告げられて......。その時は、このチャンスにこういう結果を招いてしまった自分の実力はここまでだったんだなって思いましたね」

 その日は、宇賀神にとって節目となる30歳の誕生日だった。

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