永井秀樹が明かす、コロナ危機にオンラインで伝えたヴェルディの戦術 (2ページ目)

  • 会津泰成●文 text by Aizu Yasunari
  • 本人提供●写真

 欲を言えば、もっと細かく、『このシーンで、どういうことを考えて、どう動いて......』ということまで、議論できる時間が持てたらなおよかったかなと。さすがにそこまでやると5、6時間かかってしまうので、基本は、自分が思い描くイメージを伝える時間が多かった」

 永井がそう語るオンラインミーティングについて、選手はどのように受け止めたのか。
ユース時代からの教え子で、昨シーズンは飛び級でトップチームデビュー、永井体制後はスタメンで出場するようになった山本理仁(りひと)は、こう話す。

「オンラインだからといって、不便に感じたりはしませんでした。映像もしっかりと流れますし。頻度も多く、一回あたりの時間も長かったので、じっくりと戦術を突き詰めることができたように思います」

 また、「全員攻撃」「全員守備」を標榜する永井サッカーにおいて、中盤全般、さまざまなポジションを任されるキーマン、佐藤優平は、「ミーティングの内容や資料映像を見返すことができるので、そういう意味では普段のミーティングよりも、より深く考えたり、理解する時間が持てたように思います。新加入の選手にとってはもちろんですが、昨シーズンから永井監督のサッカーに取り組む選手にとっても、復習や、今年やりたい応用の部分をじっくりと学ぶことができたので、よかったと思います」と話した。

 永井にとっては、限られた時間と条件の中で伝えなければならず、普段以上に資料作りなどに時間をかけて徹夜になることもあった。苦労した分、選手にとっては、グラウンドで実戦形式のハードな練習ができないなか、より深く突き詰めて自分たちのサッカーについて考える貴重な時間を持つことができたようだ。

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