2020.04.30

JリーグMVP受賞者の近年の顔触れから
わかること。ふたつの傾向とは

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Yohei Osada/AFLO SPORT

 そしてもうひとつ、MVPの顔ぶれにはっきりと映し出されている最近の傾向が、"Jリーガーの高学歴化"である。

 かつて日本にまだJリーグがなかった時代、選手にとってのエリートコースは、高校から大学を経由しての日本リーグ入りだった。

 しかし、1993年にJリーグが誕生するや、有望選手は高校卒業と同時に、Jクラブ入りするケースが格段に増加した。そして、各クラブがユース年代以下の育成にも力を入れるようになると、その傾向はさらに強まった。

 ところが、2000年代あたりから、高校(あるいはクラブユース)から直接Jクラブ入りしても、なかなか試合出場の機会が得られず、伸び悩む選手が目立ち始めた。すると、今度は高卒時点でのJクラブからの誘いを断り、あえて大学進学を選ぶ有望選手も現れるようになった。

 また、選手を獲得するクラブ側にとっても、ある程度長い目で見て育てなければならない高卒新人に比べ、大卒新人は即戦力として計算できる。加えて、高卒選手(18、19歳でJクラブに入る選手)は、早くから活躍したらしたで、すぐに海を渡ってしまう選手も多くなった。

 それに比べると、大卒選手(22、23歳でJクラブ入る選手)はJリーグで2、3年プレーすると、すでに20代後半に差し掛かり、それだけ海外移籍は難しくなる。つまり、クラブから見れば、貴重な戦力が流出する危険性も小さくなるのだ。

 そんな理由もあり、現在のJリーグでは、大卒選手がかなり重宝されており、大学経由でのプロ入りは、近年増加傾向にある。