JリーグMVP受賞者の近年の顔触れから
わかること。ふたつの傾向とは (2ページ目)
1990年代には、MVPを受賞した選手以外にも、レオナルド(鹿島)、ジーニョ(横浜フリューゲルス)、セザール・サンパイオ(横浜F)といった現役ブラジル代表クラスや、ギド・ブッフバルト(浦和)、パトリック・エムボマ(G大阪)、サルバトーレ・スキラッチ(磐田)など、ヨーロッパで活躍した選手が多数プレーしていたことを考えると、試合のなかで別次元のプレーを見せる外国人選手は、明らかに減っていた。
とはいえ、その傾向も最近は再び変わりつつある。
それを何より雄弁に物語る証拠が、ご存じアンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸)である。
2014年にディエゴ・フォルランがセレッソ大阪に加わったあたりから、徐々に変わり始めた流れは、ルーカス・ポドルスキ、イニエスタが立て続けに神戸入りして加速。その後も、フェルナンド・トーレスがサガン鳥栖に、ダビド・ビジャが神戸に、さらには南米からも、ジョーが名古屋に加わった。
近年、外国人選手の顔ぶれは豪華さを増しており、その後も大物の移籍加入の噂が絶えない。もちろん、それらすべてが実現するわけではないが、世界のサッカーマーケットにおけるJリーグの位置づけが変わってきたのは確かだろう。
現在、Jリーグでは8年連続で日本人選手がMVPを独占中だが、そろそろ外国人選手のMVPが久しぶりに生まれるかもしれない。
新型コロナウィルスの感染拡大が今後、どれほどの規模で、あるいはどんな形で、世界のサッカー界に影響を与えるのかはわからないが、近年の流れが続くようなら、その可能性は十分にあるだろう。
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