「一生負け犬になる」かどうかの最終節。
西澤明訓が放った強烈な輝き

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO


 その後、押し込まれる展開となっても、西澤の存在感は絶大だった。前線から執拗にボールを追いかけ、時に最終ラインにまで戻って相手のハイボールを跳ね返し続けた。

 優勝への執念を剥き出しにし、ピッチを走り続けるその姿は、まさに鬼神のごとく。気づけば筆者はこの金髪のストライカーのプレーに目を奪われ、純粋に、C大阪の優勝だけを願っていた。しかし......。

 後半アディショナルタイム、今野泰幸が放った一撃が、すべての想いを打ち砕いた。

 C大阪の選手たちはバタバタとピッチに倒れ込み、悲劇の主人公となってしまった。呆然と一点を見つめる者。頭を抱え込み今にも泣きそうな顔を浮かべる者。そして、西澤は悔しさをあらわにし、何かを叫びながら、拳をピッチに叩きつけた。

 その瞬間を切り取った写真が掲載された誌面は、今なお筆者の手元にある。この原稿を書くために再びページをめくると、当時の情景が蘇り、胸が張り裂けそうな想いにかられた。

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