すべてはジーコから始まった。衝撃のJリーグ開幕戦ハットトリック (2ページ目)

  • 渡辺達也●文 text by Watanabe Tatsuya
  • 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

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 ジーコが最初に手をつけたのは、選手にプロ意識を植え付けることだった。トレーニングでは、ボールを止めて、蹴る、また止める、蹴る。それを繰り返し基本練習の大切さを説いた。

 ロッカールームに選手のシューズが散乱していれば、「こんな汚いところではくつろげない。明日もこんな状態だったら全部捨てる」と言って自分のシューズの手入れを始め、それを見た選手たちがロッカールーム内の片づけを始めたという。寮生活をする選手がコンビニなどでお菓子を買う姿を見れば、「あれはどういうことだ。プロ選手の体づくりにお菓子は必要ない」と、会社に怒鳴り込んだ。

 食事も睡眠も仕事のひとつであり、試合で最高のパフォーマンスを発揮するために必要なことだということを伝えた。

 プロ意識はフロントにも求めた。初めて住友金属の練習場を訪れたジーコは、土のグラウンドを見て、「このピッチは選手がサッカーをやる環境か」と呟いた。フィジカルトレーニングが行なえる施設の必要性や、ケガをしてもすぐに治療ができるメディカル面の整備を説き、練習後に選手が風邪をひかないよう、練習場の近くにシャワールームを作らせた。また、選手が100%サッカーに集中するために、ホペイロを雇うことも要求した。

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