超大型ルーキー松村優太は、すでに「アントラーズらしい選手」だ (5ページ目)

  • 原田大輔●取材・文・撮影 text & photo by Harada Daisuke


 振り幅をイメージしやすいように、松村は思い切り片手を上へと持ち上げた。だからこそ、日々の練習が重要になると力説してくれたが、興味深かったのはその考え方だ。

「まずは『できないこと』のほうが多いので、逆に『できること』に目を向けたんです。できないことばかりを意識してしまうと、自分がアントラーズに加入させてもらった特徴も活かせなくなってしまうので。自分はスピードだったり、ドリブルだったりを評価してもらえたから、アントラーズに加わることができたと思うんです。

 だから、まずはそこを出していくことが重要かなと。よさを見せていくなかで、周りから『今のはこうしたほうがよかったんじゃないか』『こうだったんじゃないか』と言われることで、新たな視点も見えてくると思う」

 できないことがあれば、そこに目が向いてしまうのが人間というものだ。コンプレックスという言葉や劣等感という意識があるように、それは人間の性(さが)とも言えるだろう。だが、松村はできることに着目することで、自分の魅力を最大限に発揮しようとしている。

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