清水エスパルスの攻撃を司る、20歳で無名の長身MFに目を奪われた (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 ポジションは、4-2-3-1の守備的MF。ひと言でいうなら、低い位置で構えるパッサーだ。連想するのは、バルセロナのセルヒオ・ブスケツ。日本のクラブで言えば、横浜FMの扇原貴宏だ。

 清水の監督は、横浜FMで過去2シーズン、アンジェ・ポステコグルー監督を脇で支えたピーター・クラモフスキー。扇原的な要素が不可欠と踏んだとしても不思議はない。

 その指揮官が抜擢した西村は、頭の位置が高く、視野が広い。ショートパスが鋭く、パス回しにテンポがある。長身なのに、バランスもいい。どんな態勢でもけれんみなく、ボールを受けることができそうなのだ。プレーに安心感もある。

 加えて、高い位置に飛び出していく。前方にスペースを見つけては、そこに入り込み、ボールを受けようとする。扇原やブスケツとの違いを挙げるならばそこだ。

 モダンな選手に見えてしまう。強者FC東京を向こうに回しても、臆する様子はなかった。幅の広いオールラウンダー的な動きを、シンプルかつナチュラルに披露していた。

 この選手、新鮮。イケるんじゃない――とは、筆者が抱いた直感だ。

 出身は、大阪の興国高校。同校サッカー部の出身と言えば、ヴィッセル神戸の古橋亨梧がいる。選手のJリーグへの供給能力は、近年増すばかりで、西村の学年だけでも、プロ入りした選手は5人を数える。

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