2020.01.29

今季のFC東京はひと味違う。
柔と剛の新戦力が見せた個の力

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 サッカーを論ずるのを、いささか憚(はばか)られるような試合だった。

 その理由は劣悪なピッチコンディションにあった。雨はさほど激しく降っていなかったのだが、来るべく東京五輪に向けて改修した味の素スタジアム(ACLでの呼称は東京スタジアム)の芝は、まだしっかりと根づいていなかったのだろう。

ジュビロ磐田からFC東京に移籍してきたアダイウトン いたるところに水たまりができたピッチ上で繰り広げられたのは、ボールを蹴って走るだけの、サッカーとは趣(おもむき)の異なるスポーツだった。

 昨季のJ1リーグで2位となったFC東京が、ACL本選出場をかけて早くも今季の初陣を戦った。プレーオフの対戦相手はフィリピンのセレス・ネグロス。日本人選手ふたりを含むチームは同国王者の肩書を持っているとはいえ、その実力を考えればFC東京が問題なく本大会に進出するだろうと予想された。

 しかし、最悪のコンディションが試合を難しくした。パスはつながらず、まともにドリブルもできない。攻略の手段はロングボールを蹴り込んで相手よりも素早くゴールに迫るか、セットプレーの機会をモノにするほかない。