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1年生ですでに貫禄十分。松木玖生は
青森山田を再び頂点に導く (2ページ目)

  • 森田将義●取材・文 text by Morita Masayoshi
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 黒田剛監督が評価するのも、そうした性格面だ。

「『俺の長所はメンタルだ』と口にするとおり、自分の特徴にしている。2年生、3年生など関係なくピッチの中で、呼び捨てで仲間を鼓舞して、指摘できるのが松木のいいところ。ふてぶてしさがピッチの中でもメンタルの強さとなって、ゴール前の守備やゴールというところに果敢にチャレンジできている」

 黒田監督からも才能を高く買われた松木は、中学3年生から青森山田高校のBチームの一員として、プリンスリーグ東北に出場。2018年の12月には、トップチームの一員としてプレミアリーグの最終節にも出場した。

 常に先輩たちに交じって、高いレベルでの経験を積んできたため、高校入学1年目から即戦力としての評価を受けた。与えられた背番号が7番なのも評価の表われで、これは青森山田ではエースナンバーの10番に次ぐ期待の背番号。これまで高橋壱晟(ジェフユナイテッド市原・千葉)、郷家友太(ヴィッセル神戸)、檀崎といったプロの世界へと羽ばたいた先輩たちが、最終学年で10番を授かる前に背負ってきた番号なのだ。

 2年生になるタイミングで7番をもらっていた彼らよりも早く、松木は高校入学前の昨年の3月から7番を授かった。これは、日本代表のMF柴崎岳(デポルティーボ)以来、2人目の出来事だ。異例の早さにも関わらず、7番をもらった直後には「監督に言われる前から、7番は目標だった。喜びよりも、もらって当たり前だと思った」と口にしていたのが印象に残っている。

 そうした周囲の期待を感じているからこそ、入学前から「昨年からプレミアリーグに出場させてもらった。自分がリーダーシップを取ってプレーすれば、チームがよくなるかなと思って、常に周りに声を掛けるようにしていた。サッカーに年齢は関係ない。学年や体格が上でも、自分の技術が身体の当て方とかで勝てるのでビビっていない」と話していた。

 その意気込みが示すとおり、高校年代最高峰のリーグである「高円宮杯プレミアリーグEAST」でも開幕戦からスタメン出場を重ねてきた。一方で、1年目から活躍するため、入学前から筋トレを精力的に行なってきた影響で、体重が5キロもアップ。「重くなり、春から秋にかけては身体が動かない状況が続いていた」が、インターハイが終わってからは身体が出来上がり、思いどおりのプレーができるようになってきた。

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