2020.01.14

1年生ですでに貫禄十分。松木玖生は
青森山田を再び頂点に導く

  • 森田将義●取材・文 text by Morita Masayoshi
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 近年、これほどまでに貫禄のあるルーキーがいただろうか。

 青森山田高校(青森県)の1年生MF松木玖生は、闘争心溢れる守備が魅力のボランチだが、前線への飛び出しも光り、全国高校サッカー選手権では4ゴールを奪った。

決勝では悔しさを味わったが、大会を通して大活躍だった、青森山田の松木玖生 準決勝の帝京長岡高校(新潟県)戦では、GKが前に出た隙を突かれて打たれたシュートに対し、ゴールカバーに入りヘディングでクリア。決定機を跳ね返し、勝利に貢献した。

 チームは静岡学園高校(静岡県)との決勝で惜しくも敗れ、2連覇は果たせなかったが、新人王があるならば満場一致で彼が選ばれていたに違いない。

 北海道室蘭市出身だ。小学生の時にMF檀崎竜孔(北海道コンサドーレ札幌)のプレーを目にしたのと、中学から青森山田に進んだ地元の先輩の勧めもあり、名門校の門を叩いた。

 入学当初から左足でのプレーはセンスを感じさせる一方で、右足はまったく使えず、体格もスピードも同年代より劣っていた。ただし、足りない部分を補うための賢さを持っていたのは彼の強みで、中学の監督を兼任する上田大貴コーチはこう振り返る。

「技術的なものがずば抜けていたかと言うと、そうじゃない。自分のウィークポイントを理解して、めちゃくちゃ努力ができる選手。今の強みとなっているフィジカルも、もともとはなかった。中学3年生になってから『このままでは上で通用しない』と理解して身体をつくり上げた。今何をしなければいけないのか考えられる、頭のよい選手です」

 全国中学校サッカー大会で4回の日本一に輝く青森山田中学校で、すぐに頭角を表わし活躍した松木は、高校でも1年生からAチームのメンバー入りを果たしたため、「今のところはずっと順調に来ている。しんどいなと思ったのは、自分の思い描いている本調子が出せなかったインターハイくらい」と語る。

 準決勝後に記者陣から「めげそうになったことはないの?」と質問されても、「大事な試合で大きなチャンスを外した時くらい」と笑って返すあたりは、すでに大物の貫禄すら漂う。