2020.01.04

青森山田が自慢の「飛び道具」で圧勝。
選手権連覇へ揺るぎない強さ

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 連覇を狙うディフェンディングチャンピオンが、悠々のベスト8進出である。

 第98回全国高校サッカー選手権大会3回戦。昨年度優勝の青森山田は、今年度高校総体準優勝の富山第一と対戦し、4-1で勝利した。

リスタートから4ゴールを量産した青森山田が難なく8強入り シュート数は、青森山田の10本に対し、富山第一は8本。CK数にしても、同じく3本に対し、2本。数字が示すように、”流れのなか”での攻防に関しては、それほど大きな差があったわけではない。

 富山第一の大塚一朗監督も、「(青森山田が)前半もっとプレッシャーをかけてくるかと思ったが、(相手ディフェンスの)間、間にボールを入れながら、つなぐことができた。結構ボールを持っている時間は長かった」と、試合を振り返る。

 しかし、そんな展開だったにもかかわらず、終わってみれば4-1。青森山田の強さが際立った試合、と言ってもいい。

 では、なぜ青森山田は圧倒的攻勢で試合を進められたわけでもないのに、これほどゴールを量産できたのか。

 その答えは、青森山田には”飛び道具”、すなわち、セットプレーという武器があったから。4ゴールの内訳は、ロングスロー、FK、CK、CK。実に4点すべてがリスタートプレーから生まれているのである。青森山田の黒田剛監督が語る。

「(富山第一が)5バックなので、真ん中をこじ開けるのは難しい。リスタートが大事になる。どちら(のチーム)も守備に重きを置いて戦うなかで、リスタートがかなり有効だった」

 しかも、先制点は前半7分、貴重な追加点となる2点目は後半4分と、前後半それぞれの立ち上がりに得点が生まれている。

「本当にいいタイミングで点を取れたのが勝因だった」(黒田監督)

「やられちゃいけない時間帯にやられたのは痛かった」(大塚監督)

 両監督のコメントも、この点について明暗くっきり分かれる結果となった。

 富山第一にしても、「セットプレーで(得点を)入れて、逃げ切りたい」(大塚監督)というのが戦前のプランだった。実際、一矢報いた1点は、しっかりと練られたFKで奪ったもの。セットプレーは、富山第一にとっても武器だった。