ヴェルディ永井監督が陶芸家から学んだ「芸術としてのサッカー」 (5ページ目)

  • 会津泰成●文・撮影 text&photo by Aizu Yasunari

 日々の勝利を目指すのは横軸の世界。そしてサッカーの質にこだわり、芸術の域まで高めるのが縦軸の世界。どちらかひとつでは駄目。横軸を引き上げるには縦軸にこだわることが必要だし、縦軸だけでも成り立たない。

 大嶺氏の言葉は、永井に、あらためて信じた道を突き進む覚悟を与えてくれた――。

 FC琉球戦当日の朝8時。スマートフォンを見ると、永井からこんなメッセージが届いていた。

「昨晩は久々に人生の師と会って魂の浄化ができ、至福の時でした。
新しいものを作り理解してもらうには時間が必要。
でも、やり続けた先に必ず答えはある。
自分は例えどんな状況に追い込まれようと、信念を貫きます。

                          永井秀樹」

 キックオフは夕方6時。負ければ4連敗でさらに苦しい状況に追い込まれることになる。しかし、ヴェルディは怒涛のゴールラッシュと、そして芸術と呼ぶにふさわしい、今シーズン最高の得点シーンを演出することになるのだった。

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