コンサドーレの小さな巨人、チャナティップが思うタイと日本の相違点 (2ページ目)

  • 井川洋一●構成・文 text by Igawa Yoichi
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 とはいえ、ホームシックを感じることはないという。代表戦などでたまに帰国すると、「もちろんリラックスできる。でもそれくらいだよ」と言う。「ただタイから日本に戻ってくると、(日本の方が)湿度が低いので肌が痒くなる」のが、ちょっとした悩みだとか。それでも、彼の口調にシリアスな響きはない。

 あくまでも自然体のチャナティップはピッチ上でも、「自分らしくプレーすること」を心がけており、Jリーグで結果を残せたことで、「自信も深まっている」。そんな26歳が見据える目標はどこにあるのだろうか。

「日本でタイトルを取りたい。とくに今シーズンはチャンスがあると思うからね。個人的には、もっともっとゴールを決めたい。それから、AFCチャンピオンズリーグにも出たいね。Jリーグの代表として、他の国のクラブと対戦できたら最高だよ」

 近年は彼の母国タイのクラブも力をつけてきている。それについて質問を投げかけると、またいたずらっぽい微笑を浮かべた自信家の顔が浮かんだ。

「(タイのチームに)それほど苦しめられることはないと思うよ」とニヤリと微笑んでチャナティップは言う。「アジアのなかでは日本のチームがいちばん強いと僕は思っているからね」。

 では、そんな日本のクラブへの移籍を考えている外国人選手には、どんなアドバイスをするだろう。

「頑張ってくださいね、とだけ(笑)」とチャナティップはまだジョークを飛ばす。

「それは冗談として、Jリーグのクラブからオファーを受けた選手ならば、間違いなくレベルの高い選手だと思う。でも実力と同じくらい大事なのは、チームメイトや監督の信頼を得ること。とくに日本では、規律や姿勢が問われることになる。だからしっかりトレーニングに取り組んで、試合ではちゃんと結果を残さなければならない」

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