犬飼智也が鹿島に来て変わった勝利の味「喜びより先にホッとします」 (4ページ目)

  • 寺野典子●文 text by Terano Noriko
  • 渡部 伸●写真 photo by watanabe shin

――CBからゲームを作る時代にもなっています。技術も活かせる。

「そこは自分の良さだと思うので、トライし続けています」

――プロに入って2年目の途中に松本へ移籍。早い決断だとも感じますが。

「試合に出ること、そこで結果を残すこと。プロの厳しさというのは理解していたけれど、とにかく試合に出て、経験を積みたい。そうじゃなければ、なにも始まらないという気持ちが強くありました」

――J2とはいえ、松本へ行っても競争はあります。

「そうですね。でも、シーズン途中での加入だったので、その時点でチームの戦力にならないといけない。そういう覚悟は自然と持っていました」

――すぐにチャンスも手にしました。

「松本でずっと試合に出続けられたこと。そして、ほとんど負けなかったこと。最初のシーズンは昇格できなかったけれど、2年目で昇格も果たせました。そういう結果が自分に大きな自信を与えてくれたし、松本での1年半がなければ、今の僕はいないと思います。もちろん、その後清水へ戻り、いろんな経験をしました。昇格も降格も、ケガでの離脱も。そういう意味では鹿島の選手が経験できない経験をしてきた結果、今の僕なんです」

――Jリーグでプレーする選手にとって、鹿島からのオファーというのは、どのようなものなのでしょうか?

「鹿島はやはり、日本のトップのチームだと思います。でも、清水でプレーしていたときに、『いつか鹿島へ入りたい』ということは考えていませんでした。でも、いざオファーが来たときは、自分が成長できると感じたし、魅力はありました。どのチームからであっても、『オファー』というのは、自分が評価された証なので、嬉しいです。でも、鹿島からの評価はやはり特別なことだと思います。清水時代の先輩からも『鹿島からオファーが来る選手は間違いがない』と言って頂きました」

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