2019.06.02

イニエスタが不在の神戸。
「バルサ化」の面影は見られず、どこへ行く

  • 渡辺達也●文 text by Watanabe Tatsuya
  • photo by KYODO

 Jリーグ第14節。前節、横浜F・マリノスに0-4と大敗したジュビロ磐田が、湘南ベルマーレ戦で公式戦10試合ぶりの勝利を飾ったヴィッセル神戸をホームに迎えた。

 磐田は前節の反省から、今シーズン初先発の山本康裕をアンカーに置き、その前に田口泰士、山田大記を並べた3-5-2システム。守備の時は3ボランチになるような形を取り入れ、前線のロドリゲス、アダイウトンのスピードを活かそうとした。

 一方の神戸は、長いトンネルを抜け出した湘南戦と同じメンバー、同じシステム(3-4-3)で臨んだ。アンドレス・イニエスタ、ルーカス・ポドルスキはベンチ外だった。

 試合は開始3分にいきなり動いた。神戸の三田啓貴がウェリントンに出したパスが相手に当たってペナルティエリア内にこぼれると、そのボールを三田があきらめずに追い、GKカミンスキーに倒されPKをゲット。これをダビド・ビジャが冷静にゴール右隅に決め、神戸が先制する。

 立ち上がりこそ神戸はいいリズムで攻めていたが、徐々に磐田が主導権を握り、チャンスを作れるようになる。押し込まれる時間帯が増えた神戸だが、何とか前半を1点リードで折り返した。

 後半に入っても磐田が優位に試合を進めた。そんななかで神戸は57分、右サイドで西大伍のパスに抜け出した三田が中央へ折り返し、ファーサイドでフリーのビジャへ。しかし、ビジャのシュートは枠をとらえられなかった。一方の磐田も68分、ロドリゲスがペナルティエリアの外からシュートを狙うが、クロスバーに阻まれる。その直後、磐田はアダイウトンに代えて大久保嘉人を投入した。

 神戸は70分、疲れが見えたセルジ・サンペールに代えて藤谷壮を入れ、三田をボランチに下げて西をシャドーに置いた。同点に追いつきたい磐田は78分、山田に代え荒木大吾、84分には松本昌也に代え中山仁斗と、攻撃的な選手を投入して勝負に出る。

 防戦一方となった神戸は、84分にビジャに代え中坂勇哉を入れて逃げ切りを図る。しかし、ドラマは最後の最後に待っていた。

終盤、ジュビロ磐田に同点に追いつかれたヴィッセル神戸のイレブン アディショナルタイムに入った後半48分、磐田の攻撃。右サイドで田口からのパスを受けた荒木が、1度はクリアされたボールを再び折り返すと、GKに当たってゴールに吸い込まれそうになるボールをダンクレーが右手でかき出してPKに。これをロドリゲスが決めて同点とし、試合はそのまま終了した。