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勇敢なF・マリノス。
「本家」風間サッカーを超える攻撃志向 (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 もちろん、そこには、「我々にはビッグクラブのような予算はなく、そのなかでチーム編成をしなければならない」(ポステコグルー監督)という事情もある。

 指揮官は「(個人に頼るのではなく)チームとしてアタッキングフットボールを目指す」と言うが、FWジョー、MFガブリエル・シャビエルといった、J1屈指の助っ人を獲得できる名古屋などとは手持ちの駒が違う以上、そうせざるを得ない面があるのも事実だ。

 MF天野純が「ゴール前までは進入できているので、(それを得点につなげるために)個人の質を上げることが大事」と話すように、スタイルの確立が実感できているだけに、それが得点に結びつかないもどかしさも、確かにある。今季J1での、これまでの7試合を振り返っても、チャンスの数とゴールの数が釣り合わない試合が少なくない。

 だが、平均年齢24.64歳(名古屋戦の先発メンバー)という若いチームは、右肩上がりの成長途上にあり、今後の楽しみも大きい。悔しさの残る引き分けも、現時点では、「名古屋は個人個人がうまく、強かった。その相手と互角のゲームができたことは収穫だった」(天野)と、考えていいのではないだろうか。

 ポステコグルー監督は、何度も「courage(勇敢)」という言葉を口にして言った。

「自分たちが目指すサッカーを信じ、ミスを恐れず、勇敢に立ち向かうことが重要だ」

 少なくとも、横浜FMの勇敢さを示すに十分な試合であったことは間違いない。

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