最下位清水でキラリと光る。大型SB松原后の代表入りは近い
FC東京に先制しながら逆転負け。第6節終了時点で、いまだ勝ち星なく最下位に低迷する清水エスパルスだが、サッカーそのものはけっして悪くない。FC東京戦も、時間の経過が早く感じられる、今季ここまで観戦した中では一番と言いたくなる好試合だった。片目が開けば、清水は一気に右肩上がりに転じるのではないか。
期待の若手が数多く存在することも好意的に解釈したくなる理由だ。
小柄な右ウイングの金子翔太、長身CBの立田悠悟、そしてアジアカップではいまひとつだったが、捨てがたい魅力があるCF北川航也。そしてもうひとり、挙げたくなるのが22歳の左SB、松原后(こう)だ。チームで日本代表にもっとも近い実力者と言っていいだろう。
FC東京戦で久保建英とマッチアップする松原后(清水エスパルス) 日本代表の左SBといえば、まずベテランの長友佑都(ガラタサライ)がいて、森保ジャパンになって佐々木翔(サンフレッチェ広島)が加わった。長友が欠場した先のコロンビア戦、ボリビア戦では、新顔の安西幸輝(鹿島アントラーズ)が、その若かりし頃を彷彿とさせる活きのいいプレーを魅せた。左SBは現時点ではこの3者による争いと見られるが、松原にはそこに割って入ってくる力が十分にある。
3人との違いは大きく分けて3つある。
まず利き足。長友、佐々木、安西の3人はすべて右利きであるのに対し、松原は左利きだ。その前の列で構える日本代表の左ウイング候補・中島翔哉(アル・ドゥハイル)、乾貴士(アラベス)、原口元気(ハノーファー)もすべて右利きなので、左SBが右利きだと、左サイドに右利きが縦の関係で2人並ぶことになる。バランスを考えれば、どちらか1人は左利きであってほしい。左SBが、スタメン、サブとも右利きでは多彩さも失われる。左利きの左SBは、23人で構成される代表チームに必要不可欠な存在なのだ。
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