J1新シーズン展望。福田正博が注目する6クラブの戦力を分析 (2ページ目)

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro photo by Fujita Masato

 獲得した戦力の個の能力がチーム力向上に直結するサッカーが浦和だ。オズワルド・オリヴェイラ監督は、川崎ほど連携を必要としないスタイルを採るだけに、新加入選手にとっては個の能力をチームに還元しやすいと言える。

 今季はFWに杉本健勇(←C大阪)、MFにエヴェルトン(←ポルティモネンセ)、左サイドに山中亮輔(←横浜F・マリノス)、CBには鈴木大輔(←柏レイソル)らを獲得した。

 左サイドに山中をピンポイントで獲得できたことは大きい。左利きの選手を左サイドに置ければ、攻守においてピッチの幅を広げられる。3バックなら中盤の左サイドでプレーでき、4バックなら左SBで起用できる山中が、浦和の攻撃を活性化させる存在になることを期待している。

 さらに、FW興梠慎三とMF柏木陽介のバックアップになり得る選手を獲得できたことも大きい。ここ数シーズンの浦和は、興梠と柏木がスタメンを外れたときのスケールダウンが課題だったが、杉本やエヴェルトンを獲得できたことで、コンスタントに成績を残せるのではと期待している。

 ただし、強化という視点に立つと、チーム力向上につながる補強は、前年のレギュラーをベンチに追いやる戦力を獲って初めて実現するもの。浦和の場合、興梠や柏木をベンチに追いやるレベルの選手を獲ったときにチーム力が向上したと言える。杉本やエヴェルトンが、シーズンが進むなかでどういう存在になるかにも注目したい。

2 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る