J1新シーズン展望。福田正博が注目する6クラブの戦力を分析 (3ページ目)
外国籍選手の試合出場が5人まで可能になった今季は、彼らの出来がチームの成績に大きく影響する。それだけに外国籍選手と、残りの6人の日本人選手をつなぎ、まとめ役になる選手の存在がより重要になっていくはずだ。
その点、名古屋グランパスではそのまとめ役になる日本人選手が誰になるのか。昨季得点王のジョー、司令塔のガブリエル・シャビエル、ボランチのエドゥアルド・ネット、GKランゲラックに加え、昨季大宮アルディージャで40試合12得点のMFマテウスと、U-21ブラジル代表経験のあるMFジョアン・シミッチ(←リオ・アヴェ)を獲得した。
レベルの高い外国人選手が揃う反面、昨季限りで楢崎正剛が引退し、玉田圭司や佐藤寿人らベテランが移籍したこともあって、日本人選手でリーダーシップを発揮する役割を誰が担うのかまだ見えてこない。チームをまとめ、外国籍選手と融合する選手の存在意義は、川崎の中村憲剛を見れば一目瞭然。名古屋も、次代に向けてキャプテンシーを持つ選手を育てることが重要になってくる。
昨季終盤戦は9勝1敗でリーグ戦を終えたガンバ大阪は、宮本恒靖監督が"世代交代"にどう取り組むかに注目している。39歳の遠藤保仁と36歳の今野泰幸の能力はまだまだ高いレベルにあり、サッカーは年齢でやるものではないとはいえ、現実として歳を重ねるにつれて長いシーズンをフルで戦うのは難しくなっているのも事実だ。そこを宮本監督がどう対処していくかは見どころだ。
また、大型補強がなかったことは少し気になる点ではある。宮本監督が補強を望まなかったのか、望んでも思うような補強ができなかったのかはわからないが、他クラブに比べて新戦力獲得人数が少ない。主な新加入選手は、韓国代表のキム・ヨングォン(←広州恒大)ぐらい。昨シーズンから変わらないメンバーで戦い、チームがさらに成熟していくメリットがある一方で、故障者などが複数出た場合、苦しい戦いに陥る危険性もある。
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