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今季はJ1にスペイン人監督が3人。
彼らはなぜ日本を目指したのか (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Fujita Masato

 事実、スペイン人指導者は質の高い仕事をしている。

 たとえば、ロティーナ監督は、J2で残留争いをしていた東京ヴェルディを率いるようになり、2シーズン連続で昇格プレーオフに進出。その指導によって、ブラジル人FWたちはいちじるしく得点を増やすようになった。日本人選手も成長を示し、多くがJ1のクラブへ移籍していった。

 リージョ監督も、昨シーズン途中で神戸を率いた途端、「グアルディオラの師匠」の面目躍如だった。すぐさま選手の心をつかみ、目に余るほど士気が低下していたルーカス・ポドルスキを蘇生させた。そして控え選手までもが、「リージョのもとで練習することで確実にサッカーがうまくなっている」と、高いモチベーションを見せているのだ。

 一方、スペイン人指導者たちも日本での生活に満足している。
 
 中国のクラブでは、法外なサラリーを約束したにもかかわらず、不払いの騒動になっているケースが少なくない。練習設備が整っていなかったり、運営面の拙さも見られる。実際、イニエスタも中国のクラブとの話を打ち切って、日本を選んだ。

「日本人は礼儀正しく、教養がある。生活は便利だし、食べ物もおいしい。さまざまないいところを受け入れて進化してきた国なのだろう」

 神戸のリージョ監督は、日本へのリスペクトを込めて語っていた。こうした話はスペイン国内に広がる。こうして今や、両者は相思相愛の関係になりつつある。

 フリーの実力派スペイン人監督はまだまだいる。

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