2019.02.05

17歳久保建英ら若手に31歳太田宏介が要望。「もっと尖って」

  • 井川洋一●取材・文 text by Igawa Yoichi

 那覇空港からクルマを北へ2時間ほど走らせると、沖縄本島最北端の国頭(くにがみ)村に到着する。自治体の公式サイトには、「ヤンバルクイナやノグチゲラといった貴重な動物が生息し、東洋のガラパゴスとも呼ばれています」とある。そんな自然あふれるのどかな場所で、FC東京が新シーズンに向けて1次キャンプを張っていた。

 燦々(さんさん)と陽差しが降り注ぐピッチでは、和やかなムードで軽めの練習が行なわれていた。この日の前日にFC町田ゼルビア、Ⅴ・ファーレン長崎と強化試合をしたチームは、円陣で移動しながらリフティングをしたり、ヘディングでボールをつないだりしながら、たびたび大きな笑い声を上げていた。気温は20度近く。トレーニングを引き上げる選手たちは口々に「暑いですね」と言いながら笑顔を見せた。

チームに復帰した久保建英(中央)ら、キャンプで笑顔を見せるFC東京の選手たち チームを率いて2年目のシーズンを迎える長谷川健太監督は「順調にきていると思います」と話す。

「ここまでの3試合(1月22日には大宮アルディージャと対戦)では、いい部分とそうでない部分が見えました。当然、コンディションの面はまだまだで、(試合では)疲れによるミスも多かった。プレーのクオリティ、技術面、戦術面を高めていくのはこれからです。

 ただ、1次キャンプの試合では点が入らないことが多いのですが、町田戦で3点、大宮戦(45分を3本)でも2点取れた。この時期に、J2上位のチームと試合をしてゴールを奪えたのは大きな収穫だと思います」

 その町田戦で終盤に決勝点を決めたのは、横浜F・マリノスへの期限付き移籍を終えて復帰した久保建英だ。指揮官に17歳のアタッカーについて質問を投げかけると、もともと柔和な長谷川監督の表情がさらにほころんだ。

「一年経って、だいぶ逞しくなってきましたね。(新シーズンは)本当の意味で、(ファーストチームのレギュラー)競争のスタートラインに立てるでしょう。もともと技術的にはいいものを持っているのですが、(去年は)それをJ1の舞台で発揮するだけのフィジカルが少し物足りなかった。昨日の試合でも、スプリントや球際がだいぶ強くなっていたので、今シーズンの飛躍に期待しています」

 町田戦で4-4-2の右MFでフル出場した久保本人は、「引き分け濃厚のなか、苦しい時間帯に(決勝)点を取れたのは、個人としてもチームとしてもプラスだったと思います」と振り返っている。横浜へのローンでいかに成長できたかについては、「あまり自分ではわかりませんが、一度環境を変えた身としては、それがプラスだったとピッチ上で証明していきたいです」と語った。