2019.02.04

スペインで苦しんだ自身のJ1MVP受賞に
家長昭博が感じたギャップ

  • 佐久間秀実●取材・文 text by Sakuma Hidemi

 川崎フロンターレの連覇によって幕を閉じた2018年のJリーグディビジョン1。その優勝の立役者となったのが、MVPに輝いた家長昭博(32歳)だ。

2018年シーズンに、自身初となるJリーグMVPを受賞した家長 昨年12月末、新シーズンに向けてトレーニングを開始した家長を訪ねた。トレーニング施設は都内のオフィス街にある「LP BASE虎ノ門」で、運営者は大宮アルディージャでフィジカルコーチを務める大塚慶輔氏。この施設では、ライフスタイルを改善してパフォーマンスを上げるためのサポートや体の治療を行なっている。

「(2014年から3年間プレーした)大宮時代のトレーニング環境がかなりよかったんです。川崎に移籍して1年目は環境が変わったんですけど、また体を診てもらいたくなったので2018年から再開しました。トレーニング内容は当時やっていたことと大きな変化はなく、延長線上にあるような感じですね」

 家長は、昨年4月から週に1度、チーム練習が終了してからパーソナルトレーニングを受けていたという。家長を担当するトレーナーは、2017年シーズンまで大宮にいた青木豊氏だ。青木氏は鍼灸師兼アスレチックトレーナーでもあり、大宮にいた頃の家長の体を治療しながらトレーニング指導も行なっていた。

 高い技術と強靭なフィジカルを兼ね備える家長は、ボールを奪いにくる相手をことごとく跳ね返す。鋼の肉体を手に入れるために、ハードな筋力トレーニングを行なっているのかと思いきや、トレーニングではベンチプレスを一切使わず、実戦を想定したさまざまな動きの確認をする程度だった。

「フィジカルにはあまり力を入れていないので、筋トレでは重いものを持ちません。昔から、 思い描いたプレーをできるように、ボールを”止めて蹴る”ことにこだわってきました。でも、ボールキープではミスをするので、(自分では)優れていると感じたことはないですね」

 ボールキープ力はJリーグの中で群を抜いている印象があっただけに、家長の返答は予想外だった。

 大宮アルディージャから川崎フロンターレに移籍した2017年は、開幕後に足の骨折で戦線を離脱し、復帰後も川崎のサッカーにフィットするまでに時間がかかった。しかし8月に入ると噛み合い始め、シーズン終盤にはチームで欠かせない存在となり、チーム初のJ1優勝に大きく貢献した。