植田直通は「いつも難しいほうを選ぶ」
だから鹿島入りを迷わなかった (6ページ目)
――鹿島はなぜこんなに多くのタイトルを獲れるのでしょうか?
「僕も何個かタイトルを獲りましたけど、そこはよくわからないところですね。やっている僕ら自身は、ただ必死に戦っているだけだから。とにかく無失点で試合を終えたいと。1-0の勝利というのは、燃えますね。そこにこだわりを持っているDFは鹿島には多いと思うし。ゼロというところにはかなり執着しているというか。後ろが必ずゼロで終われば、あとは前の選手が得点をすれば勝てる。無失点であれば、負けないから」
――鹿島のCBが持つ、独特な雰囲気の源ってなんでしょう?
「鹿島の歴代のCBの選手というのは、誰が見ても本当にすごい方たちばかり。そういう方たちと比べられる機会がたくさんあります。そういうのもあって、今までの選手を越えたいという気持ちはずっと持っていました。もちろん、鹿島アントラーズのCBということに誇りを持っていたし、鹿島のエンブレムを背負うというのは日本を背負うことでもあるというのは、鹿島に入ったときからずっと言われてきましたから。そういう想いで僕はずっとやってきました」
――鹿島のCBのほとんどが日本代表ですからね。鹿島で培ったもののなかで、今後も大事にしていきたいものとは?
「試合に出られないときの悔しさというのが、今の僕を作っていると思うし、そういうときの悔しさを忘れないということが、今の僕の教訓です。これから先、試合に出られないとか、そういう立場、壁にぶち当たったとしても、鹿島での経験があるから、これからもやっていけると思うので、それはすごく大事にしていきたいです」
――試合に出られないところから始まるというのは、レベルアップの必須条件?
「そうですね。欧州にはいろんな選手がいますからね、そして、いろんな監督もいる」
――いい出会いが最高な状況を生み出すこともあれば、逆もある。巡り合わせでうまく行くこともあれば、巡り合わせが悪くて、最悪な状況になることもある。欧州では「絶対」がないし、とにかく猛スピードでいろんなことが起き、変わります。
「でも、それが面白いと思います。いろんなことが起きるけれど、それを面白がれないと、こっちではダメだと思っています。とにかく、僕は今までどおり、這い上がっていくだけです」
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