イニエスタも復帰。革命児リージョ率いる
神戸の進む先が見えた!
「サッカーは攻撃と守備で分けることはできない」
試合後の記者会見で、ヴィッセル神戸で初陣を戦ったスペイン人監督フアン・マヌエル(ファンマ)・リージョは、さらりとその本質を突いている。聞き逃すべきではない。日本サッカーにとって、革命的な進言だろう。
攻守は一体である。
サッカーを、攻守を分けて考え、迷走する指導者は少なくない。攻めるときに守る準備をし、守っているときに攻める用意をする。わずかな立ち位置の差でコンビネーションを使って崩すことができるし、体の角度の違いで守り切って反撃に移ることもできる。サッカーは攻守の連続性のトレーニング次第で、力の差が出るスポーツだ。
「今日はボールを回す、ボールを奪い返す、という点でハイテンポな入り方をした試合だった。結果的に70分弱ほどしか続かなかったが、この時間を伸ばしていきたい。選手にはトレーニングで高い要求をしている」
スペイン人指揮官は、丁寧に言葉を噛み砕くように説明した。
はたして、リージョ神戸は強くなるのか?
途中出場直前のアンドレス・イニエスタに話しかけるフアン・マヌエル・リージョ監督 10月6日、ノエビアスタジアム神戸。神戸は最下位のV・ファーレン長崎を本拠地に迎えている。当然、必勝を期すべきところだが、状況としては安穏としていられなかった。5連敗を喫して順位を落とし、気がつけば残留争いが背後に迫っていた。
リージョが実質的な監督に就任した後も、浦和レッズと鹿島アントラーズに0得点9失点で大敗。これだけ派手に負ければ、必然的に選手も疑心暗鬼になる。危険な連鎖が起きかねない。
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