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鹿島復帰は喜びだけではなかったジーコ。
「非常にがっかりしている」 (5ページ目)

  • 寺野典子●文 text by Terano Noriko
  • 井坂英樹●写真 photo by Isaka Hideki

――どういう点でしょうか?

「すべてをここでは話せませんが、ひとつ挙げれば、下部組織の整備というのは、私がずっと求めてきたことです。そして、現在、下部組織で育った選手がトップチームのレギュラーとして活躍できるようになり、安定しているなと感じています。けれど、今後も若い選手たちが『鹿島に来たい』という気持ちにさせる必要があります。そういう意味では、創設から25年余りが経ったインフラ面での整備を進めるべきではないかと思っています。今以上にクラブとしてのレベルアップが必要です。若い選手が鹿島へ来たときに、サプライズというか、感動してもらえるようにしなくてはいけないと」

――インフラというと、クラブハウスについてということでしょうか?

「今、アントラーズは下部組織とトップチームは同じ施設で練習をしています。しかし、世界のトップクラブの多くでは、トップチームと下部組織は別の設備、環境で活動しています。トップにはトップの、下部組織には下部組織のクラブハウスやトレーニングセンターが整備されている。アントラーズもそろそろ、下部組織を独立させる必要があると考えています。これはクラブが成長するためにやむを得ないことでもあります。

 もちろん、新しい施設を作り、運営するには資金が必要となります。新たなスポンサーや施設を作る業者を探さなければなりません。そういう力を貸してくれる企業にとっても、鹿島アントラーズは必ず優勝する、もしくは優勝争いをするとなれば、メリットはあるでしょう。この25年間、鹿島アントラーズがピッチの上で表現してきた、残してきた結果を今後も続けていくと示すことで、企業も興味を持ってくれるのではないかと考えています」

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