2018.09.20

41歳。冨田大介はずっと目指してきた
日本代表を、なぜあきらめたのか

  • 高村美砂●取材・文 text&photo by Takamura Misa

ベテランJリーガーの決断
~彼らはなぜ「現役」にこだわるのか
第5回:冨田大介(水戸ホーリーホック)/前編

 練習を終えてひとり、チームの輪から飛び出すと、グラウンドの周りを黙々と走り出した。時間にして、およそ20分。聞けば、太りやすい体質の改善と疲労回復、体の基盤作りを兼ねて行なっているという。

 その効果を訪ねると、「平均体重は今年に入って2kg減。体も絶好調!」と歯切れのいいコメントが返ってくる。だが、続けて聞かれた言葉が、本音だろう。

「チームの力になるには、まずは自分が動けないと話にならないし、動ける体を作るためには、それ相応の準備もケアもいる。41歳、やることは多いです」

 プロ19年目。6度目の移籍を果たし、3度目の在籍となる水戸ホーリーホック(J2)で、冨田大介は相変わらず、自分との戦いを続けていた――。

自らのサッカー人生について語る冨田大介 7月11日に行なわれた天皇杯3回戦、対川崎フロンターレ戦。今季2度目の公式戦出場となったこの一戦で、DF冨田大介は徳島ヴォルテイス在籍時の2016年4月以来、約2年ぶりのゴールを決めた。41歳となり、3度目の在籍となった水戸ホーリーホックでは約5年ぶりだ。

 残念ながら、試合は延長、PK戦の末に敗れたが、試合後、彼のもとには活躍を喜ぶ仲間や友人から、たくさんの『LINE』が届いたと聞く。それに対しては、「いろんな人が気にかけてくれるのはありがたい」と頬を緩ませたものの、自身のプレーを含めた試合内容については、120分間の出来事を冷静に受け止めていた。