安部裕葵は中学でプロになると決意。その挑戦期限は18歳までだった (2ページ目)

  • 寺野典子●文 text by Terano Noriko
  • 渡部 伸●写真 photo by watanabe shin

9月5日に行われた川崎戦ではスタメン出場だった安部裕葵9月5日に行われた川崎戦ではスタメン出場だった安部裕葵

「毎年、その世代のナンバー1選手を獲得するのがアントラーズ」

 大迫勇也、柴崎岳、植田直通と年代別代表で中心となる高校生が次々と加入してきた歴史をそんなふうに話すJクラブのスカウトは多い。しかし、2017年広島県瀬戸内高校から加入した安部裕葵は、スター高校生と呼べる選手ではなかった。

 それでも、鹿島の一員となって以降、U-18代表にも選出され、2018年秋のAFC U-19選手権(2019年U-20ワールドカップアジア予選)を戦うチームでの活躍も期待される成長株となった。

 1999年1月に東京都で生まれた安部。その年の3月、小笠原満男はワールドユース選手権(現U-20ワールドカップ)で、準優勝している。

「僕はまだ満男さんの半分しか生きていないんですね。すごいなぁ」

――サッカーを始めたころ、アイドル選手はいましたか?

「いなかったですね。そういう意味では冷めた子どもだったかもしれませんね」

――Jリーガーになりたいという夢は抱いていたのでしょうか?

「リアリティはなかったですね、まったく。ただサッカーが好きで、負けず嫌いだったから、頑張っていたけれど、トレセン(選抜チーム)に選ばれたこともなかったし、Jリーグの下部組織に所属する機会もなかったですから」

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