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柏レイソルが半年で激変。
なぜ優勝候補から降格争い目前に? (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 第20節のコンサドーレ札幌戦で連敗を食い止め、いい流れで迎えたこの日の仙台戦だったが、決して状況が改善されていたわけではなかったことを露呈する試合となった。

 それでも前半は悪くなかった。伊東とDF小池龍太の連係で右サイドを崩し、最前線に配置されたFW瀬川祐輔が鋭く裏を突く。瀬川が走ることで生まれたスペースにはMF江坂任が入り込み、攻撃に迫力を生み出していく。MF小泉慶のボール奪取やMF手塚康平のパスワークにも光るものが感じられ、仙台を圧倒する時間が続いた。

 ところがこの時間帯で決め切れないでいると、流れは次第に仙台へ移っていく。後半に入り高い位置を取りだした両ウイングバックにサイドのスペースを使われだすと受け身となり、59分に右からのクロスをMF奥埜博亮に合わせられ失点。その後に攻勢を強めるも、前がかりとなったことで生まれた背後のスペースをカウンターで突かれて、80分に2点目を失って万事休した。

「チャンスは作っていると思いますけど、そこを決め切れないとか、シュートを打ち切れないとか、そういう課題がまだまだあるなと思います。決め切れないなかで隙を突かれてカウンターから失点したことは、僕自身の問題もたくさんあるなと感じています」

 加藤監督が振り返ったとおりの試合だった。押し込みながらも決め切れず、隙を突かれて先制され、カウンターからダメを押される。攻撃型のチームの典型的な負けパターンである。仙台とすれば実に対策の取りやすいチームであり、まさに狙いどおりの試合運びを実現できただろう。

 柏のストロングポイントは、右サイドの伊東の突破力にある。しかし、相手の警戒が強まると次第に孤立。強引なドリブルが増え始めれば、カウンターの温床となりかねない。

 攻撃に幅が生み出せないなか、柏は中央からの打開を試みるが、人数をかけて守る仙台の守備を崩すには至らない。とりわけ、先制されてからはその状況がより強まり、密集地帯に無理に突っ込んでいっては、あっさりと跳ね返される。その繰り返しだった。

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