40歳の明神智和が言う「J3の舞台でも、学べるし、成長もできる」 (4ページ目)

  • 高村美砂●取材・文 text&photo by Takamura Misa

「厳密には、2、3選手はパルセイロのスクールでの指導をかけ持ちしていますが、自分で働き口を探して(他の)仕事をしながらサッカーをしている選手はいません。

 もちろん、J1に比べると金額は大幅に違いますが、全選手がサッカーをしてお金をもらうことへの責任を背負ってプレーできる環境だということは、J2昇格という目標を達成するうえでもそうですし、僕にとってすごく大きなポイントでした」

 そうはいっても、クラブの資金力にはJ1のクラブとは大きな違いがあり、それに伴って、環境面はこれまで所属したクラブとは激変した。

 実際、加入したての頃は、クラブハウスや練習場などの設備、チームを取り巻くさまざまな環境に驚かされたこともある。それでも、「そこにストレスを感じたのはほんの一瞬で、すぐに消化できた」と、明神は笑う。

「パルセイロに来て、逆の意味で過去に所属したチームでは味わったことのない経験をたくさんしていますが、僕自身は、それを新鮮に受け止めているというか。そもそも、変えられないことに文句をいっても仕方ないですしね。

(J1のクラブよりも)環境悪なことも覚悟してここに来ている以上、ベテランの自分が不満を言うことが、チームにとってプラスになるとも思わない。もちろん、僕なりにチームがJ2を目指すうえで必要だと感じたことは発言していきたいと思っていますが、J3という今のステージで、クラブ側がすべてを一度に変えられない、というのも理解できる。

 だからこそ、まずは選手として、"J2昇格"を実現する力になることが先決だな、と。そうすれば、環境面も間違いなく変わっていくはずだから」

(つづく)

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