ロシアW杯で福田正博が見たいのは、「9番タイプ」のゲットゴールだ (2ページ目)

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 他の南米勢では、ブラジルW杯の決勝でやはりドイツに敗れたアルゼンチンも期するものがあるだろう。2016年、2017年のコパ・アメリカでも2大会連続で準優勝に終わっているため、W杯では何としても優勝を手にしたいところだ。

 その壁を破るにはリオネル・メッシの活躍が必須となる。W杯期間中に31歳になるメッシにとって、今大会が選手として"脂がのった"状態で臨める最後のW杯。ホルヘ・サンパオリ監督が試行錯誤しながら構築してきた「メッシが輝くシステム」が機能するかどうかが運命を左右する。

 攻撃陣はメッシの他に、パウロ・ディバラ、ゴンサロ・イグアイン、セルヒオ・アグエロ、アンヘル・ディ・マリアといった大会屈指の豪華メンバーが揃っている。彼らがメッシ主体のシステムで本領を発揮できれば、圧倒的な強さで頂点まで上りつめることも十分にあり得る。

 そんなブラジル、アルゼンチンの両国にとって、"最大の敵"となるのはドイツだ。ドイツの強みは、シンボル的な選手が不在の「誰のチームでもない」ところにある。チームの核となる選手はいるが、その選手が欠けても若い選手が台頭してカバーするいい循環ができている。

 ひとりの選手に依存する戦い方もしていないため、どんな試合展開になっても隙を見せない。安定感という点でドイツを上回るチームはいないだろう。前回大会のブラジル戦のように、大差がついても一切手を緩めないところが、ドイツのメンタリティを表している。

 安定感の土台を支えるのはGK陣だ。マヌエル・ノイアーはケガ明けだが、マルク=アンドレ・テア・シュテーゲン、ケビン・トラップが出てもまったく遜色がない。世界で五指に入るGKをずらりと揃えていることは、間違いなく彼らのアドバンテージになっている。

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