王者フロンターレに、元エース・大久保嘉人の再加入は「正解」なのか (4ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • 報知新聞/アフロ●撮影 photo by The Hochi Shimbun./AFLO

 確固たるスタイルを築く川崎にフィットするのは、それが外国人であろうと、日本人であろうと、簡単なことではない。サッカーセンスの塊である家長でさえ、昨シーズンは馴染むのに半年以上の時間を要した。いきなり戦力になった阿部は稀(まれ)な例なのだ。

 その点で、スタイルを熟知している大久保の再獲得は、現段階ではかなり有益な補強になっている。

 それに加えて、今は右膝前十字靭帯断裂の大ケガのリハビリ中だが、横浜F・マリノスから加入した齋藤学もいる。この新加入選手について、中村は期待を隠さない。

「最初はうまくいかないかもしれないけど、ボールを運んでマークを剥(は)がせる選手だから、そんなに心配していない。学はレナトだよね。あまり近付かないで、自由に勝負させてあげたい」

 川崎の前線4枚は、小林、中村、大久保、阿部、家長、齋藤の誰が起用されても「ファンタスティック4」となり得る贅沢な陣容だ。その攻撃陣を、気の利くMFへと変貌した大久保が、さらに輝かせることになる。

 誰と誰を起用し、どう組み合わせるのか――。いかにも贅沢で悩ましい問題を前に、鬼木達監督のうれしい悲鳴が聞こえてくるようだ。

 まずは2月10日の富士ゼロックススーパーカップを楽しみに待ちたい。

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