湘南、長崎、名古屋のJ1昇格3チーム。福田正博は残留できると見るか (3ページ目)

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 さらに長崎には、"地域密着型のクラブ"という点でも注目している。昨季もチームとクラブとサポーターが三位一体となって戦っていたが、今季は徳永や中村、GKの徳重健太(←神戸)という地元・国見高出身の3選手を獲得して、さらに地域一丸となって長崎を盛り上げようとしている。

 昨年は深刻な経営難に陥ったところを、4月にテレビ通販で有名な『ジャパネットたかた』の創業者である髙田明氏が社長に就任して、チームが再生した。ビジネスの世界で成功を収めた髙田社長が、地域の特色を生かしながら新たな成功例を作れば、他のクラブにとってこれ以上ないモデルケースになるだろう。

 いずれにしろ、長崎にとってはロシアW杯による中断期間までの15試合がキモになる。ここでどれだけ勝ち点を積み重ねられるかが、J1残留に向けた大きなポイントになるはずだ。
 
 残る昇格組の名古屋と湘南については、キャンプはまだ見ていないが、他のJ1チームと遜色ない戦いができるのではないかと予想している。

 まず名古屋については、風間八宏監督が就任2年目を迎えるが、J2に降格した2016年から現在までチームに残っている選手は3人しかいない。メンバーを大きく変えながらチームを作り上げてきたが、それは「風間監督の志向するサッカーは選手を選ぶ」ということだ。

 今季も、攻守で核となる選手を補強している。GKにオーストラリア代表のミチェル・ランゲラック、FWに元ブラジル代表のジョーのふたりだ。

 特にジョーに関しては、日本での知名度は高くはないが、実績、実力ともに抜群な選手だ。2014年のブラジルW杯ではカナリア軍団に名を連ねたものの、その後はヨーロッパや中国で結果を残せず、一時は「終わった選手」と思われていた。しかし、昨季はコリンチャンスで見事な復活を果たし、「ロシアW杯のメンバーに入れるべきだ」という待望論まで出ている。

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