アントラーズ復帰の内田篤人が言う「日本に戻るのは俺が最初」の意味 (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Takashi Aoyama/Getty Images

 翌10日には、鹿島アントラーズで盛大な入団会見が行なわれた。他の新入団選手や移籍組と横並びになり、第一声は「ベルリンから来ました内田篤人です」。他の選手が出身校や前所属チームを名乗って自己紹介をする中で、内田だけがウニオン・ベルリンではなくベルリンと、地名をつけたのが印象に残った。

 内田にとってウニオンでの5カ月間は決して明るいだけのものではなかった。シャルケ時代の監督イエンス・ケラーを頼ったものの、先発奪回はそう簡単ではなく、チャンスの直前になるとケガをするというサイクルから抜け出し切れなかった。

 一方でベルリンでの生活は楽しいものだった。シャルケ時代に過ごしたゲルゼンキルヘンやデュッセルドルフでは感じられない歴史やカルチャーの街に暮らすこと自体を楽しんでいた。取材中に川島永嗣から電話がかかってきて、「ベルリン、すごくいいよ。遊びに来ないと帰っちゃうけど!」と、強く薦めていたのを思い出した。

 いずれにせよ、これで内田は鹿島アントラーズの一員となった。練習や記者会見の表情からは、これから新たな勝負が始まるのだと気を引き締めていることがうかがえた。鹿島を優勝させ、自身は代表に復帰して3度目のワールドカップへ。内田は本気で走り出そうとしている。

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