高校サッカー8強が激突。インターハイ王者・流経大柏の夏冬連覇なるか (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 古賀庸介●撮影 photo by Koga Yosuke

 その戦いを可能とするのは、圧倒的な走力だ。名門・国見高を率いた時代から小嶺監督はいわゆる"走り"を選手たちに課していたが、ここ長崎総科大附でもその指導は変わらない。安藤も地獄の練習を思い出し、苦笑いを浮かべる。

「もう走れないと思うくらい、へとへとになるくらいまでやらされる。練習がきつくて嫌な3年間でしたけど(笑)、それをやってきたから相手に負けないという自負はある。ここまでやれるというメンタル面を鍛えられたと思います」

 青森山田に攻め込まれる時間が長いなかでも、瀬戸際で身体を張ってゴールを守り、ボールを奪えば相手よりも先に走ってスペースを突き、活路を見出していく。あるいは球際の強さも、彼らの特長だろう。局面の争いでピッチに倒れ込むのは、多くの場合、青森山田の選手のほうだった。

 ただし46分、球際で競り合った安藤が勢い余って相手の選手を倒し、警告を受ける。累積のため、流経大柏との準々決勝には出場できなくなった。

「次は安藤が出られないからね。代わりに誰にしようかを考えると、夜も眠れない」と、小嶺監督も頭を悩ます事態に陥った。

 一方、流経大柏の本田監督は第2試合を前に「長崎総科大附が勝つだろうと思っている」と予言していた。「今年の九州勢は強い」という認識があったのに加え、夏のインターハイで苦戦した相手でもあったからだ。実は流経大柏がインターハイで喫した唯一の1失点は、この長崎総科大附が相手だったのだ。

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