高校サッカー8強が激突。
インターハイ王者・流経大柏の夏冬連覇なるか (2ページ目)
「負けたくないという気持ちは例年になく強く感じますし、とにかく失点ゼロという共通理解を選手たちは持っている」
百戦錬磨の名将、本田裕一郎監督が高く評価するこの守備を武器に、夏冬連覇の偉業に挑む。
第2試合では、2年連続の優勝を目指した青森山田が長崎総科大附によもやの苦杯をなめた。相手のマンマークの対応に苦しみ、なかなかチャンスを作れないでいると、25分、安藤の個人技に屈して先制点を献上。1点を追いかける終盤は195cmの長身DF三國ケネディエブス(みくに/2年)を投入し、パワープレーに活路を見出そうとしたが、長崎総科大附の粘り強い守備を最後まで攻略できなかった。
長崎総科大附とすれば、まさに狙い通りの勝利だった。チームを率いるのは、高校サッカーでおなじみの小嶺忠敏監督。試合後、開口一番「勝負の世界は強いチームが勝つとは限らない。少々の可能性を信じてやれば、こんなまぐれもあるんですよ」と謙遜しながらも、会心の勝利に口もとを緩ませた。
「少々の可能性」とは、青森山田の攻撃力を封じたマンマークディフェンスにあった。攻撃の要を担うヴィッセル神戸入り内定のMF郷家友太(ごうけ・ゆうた/3年)に自由を与えず、モンテディオ山形入りが決まっているストライカーのMF中村駿太(なかむら・しゅんた/3年)にも楽に仕事をさせなかった。そして、自らの最大の武器である安藤の一発にかける戦い方が見事にはまった。
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