名波監督が明かす「ジュビロ磐田が
13位から6位に躍進した舞台裏」 (6ページ目)
――DFラインだけでなく、前線のシステムもいくつかのバリエーションを試されたのでしょうか。
「紅白戦では、アダイウトンと川又(堅碁)の2トップに、俊輔のトップ下という形も試しました。これがものすごくよくて、守備もハマッていて、ヒデ(鈴木秀人)やマコ(田中誠)らコーチ陣に聞いても、同じ見解だった。
同時に、(昨季の基本形だった)川又を1トップにしたアダイウトンと俊輔の2シャドーという形もやって、選手たちにも意見を聞いたんですね。そうしたら、外から見ている僕らスタッフ陣は断然前者がいいと思っていたんですが、選手たちは満場一致で1トップ2シャドーの後者でした。
それも、選手全員を集めて聞いたわけではないんですよ。俊輔あたりが『こっちがいい』と言ったら、みんながそれに賛同してしまう可能性があるので、俊輔や駿、ムサエフに、(大井)健太郎、あと(高橋)祥平とか、選手ひとりずつ呼び止めて話を聞いたんですけど、全員同じ答えでした。
外から見ているのと、ピッチ内で実際にプレーしている選手(の感覚)とでは、違うものなんですね。聞いてみないとわからないことだな、と思いました。それで、1トップ2シャドーに固定したことで、このメンバーでのサッカーが完成形に近づいていきました」
(つづく)
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