「鳥栖が優勝する下地はできた」説は本当か? 今季8位の価値を検証

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Takashi Noguchi/Gigadesign -JL/Getty Images

「鳥栖は優勝する下地が整った」

 マッシモ・フィッカデンティ監督のもと、8位で終えた2017年シーズンを、地元メディアはそう伝えている。

 リーグ終盤、サガン鳥栖は新戦力がチームにフィットし、機能し始めた。今年3月に入団して圧倒的な存在感を放つ元コロンビア代表、ビクトル・イバルボの1トップを軸にした4-3-2-1というシステムが定着。シーズン半ばに鎌田大地を失った(フランクフルトへ移籍)ものの、災い転じて福となした。
 
 フィッカデンティ・鳥栖は初優勝に向け、準備が整ったのか?

1トップとしてサガン鳥栖の攻撃を牽引したビクトル・イバルボ1トップとしてサガン鳥栖の攻撃を牽引したビクトル・イバルボ 鳥栖が最も優勝に近づいたのは、2014年8月だろう。第18節終了段階で首位に立っていた。当時、チームを率いていたのは尹晶煥(ユン・ジョンファン)監督。だが、理由は判然としないまま、解任されることになった。尹体制は2011年にJ1昇格を遂げ、2012年には5位に躍進。2013年は12位に低迷したが、2014年は戦うスタイルを確立し、実績を重ねつつあった。

「ハードワークと献身」

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