「鳥栖が優勝する下地はできた」説は
本当か? 今季8位の価値を検証

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Takashi Noguchi/Gigadesign -JL/Getty Images

 しかし、バックラインは強度の高いプレッシングを受けると、まだ脆さがある。第31節のアルビレックス新潟戦は、ハイプレスにポゼッションを分断され、なす術(すべ)なく敗れている。終盤に前へ出ていける選手は見当たらず、相手をたじろがせるような攻撃は消えた。

 得たものがある一方、失ったものがある。

「入ってきた選手のレベルが高いから、洗練された部分はあると思います。昔よりもクオリティは高くなった。ただ、謙虚さは忘れてはいけない。鳥栖は挑戦者として粘り強く戦い、それを相手も怖がっていた。初心は忘れずに。培ってきた歴史があるので」

 2010年に入団以来、鳥栖をJ1昇格に導き、牽引してきたFW豊田陽平が言葉を選びながら現状を語っている。

 来季も、フィッカデンティが指揮を執ることは確定的だ。シーズン途中に鎌田が抜けても新たな戦いを見出した点は評価されるべきだろう。大量補強のなかでハズレに終わった選手も少なくないが、小野、小林、原川、GK権田修一などの新戦力はフィット。ボールプレーを向上させつつ、田川亨介のような若手の価値も見出した。守備戦術のロジックはJリーグでも随一だろう。

 しかし、それは優勝の下地と言えるのか。その答えは来シーズン、出ることになる。

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