今度こそマジで「万年2位」返上へ。川崎Fの逆転V確率は意外と高い (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 だが、キャプテンの小林は「これで追いつかれていたら、『フロンターレだな』と思われてしまう」と言い、自分たちの力を出し切れないままに敗れた、先のルヴァンカップ決勝との違いをこう語る。

「(勝たなければいけない試合だったが)ルヴァンカップ決勝のような硬さはなかった。あのときの経験を生かし、メンタルの作り方を変えた選手もいた。いいゲームではなかったが、バタつきはなかった」

 とにもかくにも、川崎は虎の子の1点を守り切った。優勝決定は最終節に持ち越しである。

 では、川崎の逆転優勝はどれほどの可能性があるのか。その条件をおさらいしておこう。

 第33節終了時点での勝ち点は、首位の鹿島が71、2位の川崎が69。勝ち点63で3位のセレッソ大阪以下に優勝の可能性はなく、タイトルの行方は2クラブに絞られている。

 川崎が優勝するためには、まずは最終節で勝ち点3を加えることが必要になる。負けはもちろん、引き分けも許されない。

 そのうえで、鹿島が敗れれば、勝ち点で上回り(川崎=72、鹿島=71)、順位が入れ替わる。また、鹿島が引き分けても、勝ち点ではで並ぶ(ともに72)が、得失点差で上回る川崎の逆転優勝となる。

 もちろん、鹿島が勝ってしまえば、川崎に出番はない。こうした"勝たなければいけない試合"での鹿島の勝負強さは、過去の歴史も証明している。

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