今度こそマジで「万年2位」返上へ。川崎Fの逆転V確率は意外と高い (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 だが、川崎にこの試合で必要だったのは、勝ち点3を得ることである。「内容がよくて、負けや引き分けよりいい。内容がよくて勝てれば一番いいが、そんなことは言っていられない」とはMF中村憲剛。当然、内容的には不満の残る試合だっただろうが、何が何でも勝って優勝への望みをつなぎたかった川崎にとっては、紛れもない"ミッション・コンプリート"である。

 鬼木監督も、「我々のサッカーには程遠かったが、集中力を切らさず、最後まで戦った」と選手を称え、こう続ける。

「今季、『我慢強く戦おう』と言ってきて、こういう試合をゼロ(無失点)で抑えられたことは選手の成長だと思う」

 今節の他の8試合は、すべて日曜日(11月26日)に終わっていた。浦和が土曜日(11月25日)にACL決勝を戦った関係で、この1試合だけが3日遅れの水曜日(11月29日)に行なわれた。

 当然、鹿島はこの日に試合がなかった。それでも川崎が勝てなければ、その瞬間に鹿島の連覇が決まってしまう。そんな「特殊な状況での試合」(中村)とあっては、川崎の選手にやりにくさがあっても不思議はなかった。

 特にそれが顕著だったのは、試合のラスト10分間である。浦和が槙野、柏木を立て続けに交代投入し、同点を狙って連続攻撃を仕掛けるのに対し、川崎は耐えるだけの時間が続いた。

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