2017.10.20

福田正博も感心する「J1残留スペシャリスト」
甲府の強靭なメンタル

  • 津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

【福田正博 フォーメーション進化論】

 残り5節となったJ1リーグでは、個人タイトルや残留を巡る熾烈な争いが繰り広げられている。

前節のFC東京戦に引き分け、15位に浮上した甲府 まず個人タイトルに目を向けると、得点王争いは19ゴールでトップの興梠慎三(浦和レッズ)、17ゴールでそれを追う小林悠(川崎フロンターレ)と杉本健勇(セレッソ大阪)の3人に絞られたと見ていい。

 そのなかで最もタイトルに近いのは興梠だろう。もともと戦術的に1トップの興梠にボールが集まりやすいのに加え、優勝争いから脱落しているチームに「少しでもプラスな話題を」という味方の意識が、興梠のシュートチャンスを増やすはずだ。そうなれば、Jリーグ屈指のポジショニングのよさと高いシュートテクニックを誇る興梠が、得点王へと突っ走る可能性は高くなる。

 残る2人のうち、これを阻止できるとすれば小林悠ではないかと思う。鹿島アントラーズを勝ち点差5で追う川崎Fにあって、小林悠は直近7試合で7ゴールと抜群の決定力を発揮している。逆転優勝に向け、高いモチベーションと集中力は最後まで持続するだろうし、残り試合でのゴール量産が期待できる。

 一方の杉本は、チームが直近のリーグ戦10試合で3勝1分6敗と息切れ気味なことが気がかりだ。杉本は今季からシュートへの意識が高まって大幅にゴール数を増やしたものの、ボールが回ってこなければ何も始まらない。ケガから復帰したばかりの清武弘嗣が決勝ゴールを決めた、前節のサガン鳥栖戦をきっかけにチームが立ち直れるかどうかに、杉本のタイトル獲得がかかっている。

 いずれにしろ、興梠、小林悠、杉本の誰が得点王に輝いても、キャリア初のタイトルとなる。最後まで3選手がゴール数を積み重ねるような、高いレベルでの争いとなることを期待している。