アビスパ、J1自動昇格へ前進。「先行逃げ切り」じゃなくても勝てた (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Masashi Hara/Getty Images

 これで横浜FCがペースを握り返した。福岡は失点でバランスが崩れ、横浜FCは中盤で佐藤謙介が息を吹き返す。追加点の予感が漂った。ところが、36分、37分に、イバ、カルフィン・ヨンアピンが相次いで負傷退場という不測の事態に陥る。前半終了間際には福岡のゴール前の連係ミスからゴールしたかに見えたが、ファウルがあったとして取り消されてしまう。

 後半に入ると福岡が一気にギアを入れる。ベンチはウェリントンを投入。さらに数分後には石津大介を入れ、攻撃の太鼓を打ち鳴らした。

「前半は攻めていても、アタッキングサードに入っていけず、やはりゴール前に入っていける選手が必要で、ウェリントンのパワー、高さを入れました」(福岡・井原監督)

 ウェリントンが入って、横浜FCの守備陣に緊張を生じさせる。さらに交代で入った石津が左サイドからドリブルで仕掛け、攪乱。56分、石津は自分で奪った左FKを左隅に沈めた。

 圧巻は76分だった。自陣からのロングカウンター。前線で起点になったウェリントンは石津にボールを預け、ゴール前に突進する。DFがずるずると下がり、石津に対して3人が集まったところ、止まることでマークを外したウェリントンはフリーでボールを受け、右足のミドルを逆サイドに突き刺した。

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