ポドルスキより使えるかも。
タイ代表・チャナティップが札幌を救う (3ページ目)
現在、降格圏(16位)とは勝ち点3差の14位にいる札幌にあっては、相手にゲームを支配されてしまう試合も少なくない。当然、そのなかではボールに触れる機会も少なくなり、本来のテクニックを発揮できない展開に陥ることもある。
「やはりサッカー選手は、ボールがないとつまらない。『(日本語で)ボール、チョーダイ。チョーダイ』という気持ちになる」
これまでのキャリアにおいては、常にチームの大黒柱としてプレーできたであろう背番号18は、冗談めかしつつもそう語り、少なからずフラストレーションがある様子をうかがわせる。だが、それでも「一番大切なのは信頼」と言い、「みんなに信頼されていないと、ボールはこない。認められるように、毎日がんばる」と、あくまでも前向きだ。
これだけの活躍を見せられれば、当然相手チームも警戒を強める。J1第23節で対戦した川崎フロンターレのMF中村憲剛は「速いし、うまいし、いい選手」と絶賛し、「あれだけのクイックネス(速さ、敏捷性)があれば、J1で通用するのは当然だろう」と、その実力を認める。
また、これまでにタイU-23代表(アジアU-23選手権)、ムアントン(AFCチャンピオンズリーグ)、札幌(J1)と、異なるチームで3度チャナティップと対戦している川崎のDF奈良竜樹は「チームが違っても、基本的にプレーは変わらない」と言い、こう続ける。
「(体は)小さいけれど、体の使い方がうまいので当たり負けもしないから、間でボールを受けて、狭いスペースでプレーできる。札幌にはああいう選手がいなかったので、いいアクセントになっていると思う。なかなかチャナティップを捕まえられず、ファールが多くなってしまった」
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